2018年11月30日まで 「その日の前」
動画について、
刺激の強いと思われるものは掲載していません。
サイズが大きいものばかりなのでWiFi環境で見ていただければと思います。
11月27日(火) はじまり
その日は出張で東京・横浜に行くことになっていて朝は比較的ゆっくりとしていました。
出かける準備をしていると少し距離を置いた場所におすわりをして僕を眺めるような視線で見ていたり、僕が動き出すと足元にまとわりついてくるのはいつもと何も変わらない朝でした。
ただ、違っていたのは、いつも玄関マットの上でおすわりで見送ってくれるのに、その日に限って閉まるドアから外に出てこようとしました。
鼻先を手のひらで中に促しながらドアを閉めました。
「今日は朝ゆっくりだったし、僕が少し浮かれた様子だったから休みと勘違いしたのかな。
連れて行ってもらえないのが不満だったんだろうなぁ・・・」なんて思いながら出ました。
夜、横浜の街でお酒を飲んで一人でホテルに向かっているとき、妻にミントの様子を聞くために電話しました。それは僕が出張や泊りなどの不在時に、たまにミントが不安がるようなので声を聴かせるという意味合いもありました。
「ミントがぶるぶる震えてんねん。キュンキュン言いながら離れへんねん。。。なんか怖いことあったんかなぁ」とその電話で聞きました。
「玄関先で近所の子が騒いで怖かったのかな?なんか変なもん食べてへんやろうなぁ。それか、もう歳やしその震えちゃう?」
ある程度予想してたし、軽く酔った勢いももあって、思いのほかつれなく返事してしまいました。
「ミントはもう寝てるよ」と言っていたのでミントの声を聴かずに電話を切りました。
11月28日(水)
朝、出張先のホテルから出かける準備をしていると
「やっぱり、おかしいねん。怖くて震えてるんとちがうわ、」と妻から電話がありました。
過去に、具合の悪い時があり、何度か動物病院に駆け込んだりしましたが、病院に到着すると決まって症状が再現せず、「わたし、なんでびょういんにつれてこられたの?」ってなってしまうので具合の悪さが先生に伝わらない。ということがありました。
だから、症状が出ているときに動画を撮っておおいたほうがいいよね。となりました。
「わたし、、、わたし、なんか”ぶるっ”てするの。」
「去年も冬に首がイタイイタイってなって大騒ぎしたけど、今年もまた再発したのかな?」
「ストレスとか精神的なもんかな?」
動画を見てみると初めてみる症状でした。
症状からいろいろ考えて検索してみると「何かの中毒」、「脳梗塞」、「チック症」が該当するような気がしてました。「分離不安症ってよく聞くけどこういう症状に出るのかな?」なんて調べてみたりもしてました。
「わたしももう仕事行くから、早く帰ってきといて」という妻に「そやな、横浜やし3時間くらいかな?」と言いつつも、気になったのでミントの様子を直に見たい。と思いお土産なんかもそこそこにできるだけ早く帰りました。なので帰宅したのは18時頃でした。
僕が帰ると、いつもとかわらず寝ていた布団から飛び出してきた!って様子でしっぽをブンッブンッ振りまわしながら玄関に迎えに出て来てくれました。
ただ、「散歩いくよぉ」っと呼び掛けても「かってにいってくればぁ」っていうような反応だったので、外に出たくないのかな?というのと自分が出張で疲れていたこともあり、いつものように玄関に僕が先に出て「置いていくよぉ」みたいに誘うことはしませんでした。
結局、その日は散歩には出ませんでした。
ほかは特に変わった様子もなく食欲も通常通りでムシャムシャごはんを食べてくれたので「重篤とかではないな」と安心はしてました。
しばらくしたら治るだろう。念のため週末、土曜日にでも近所の病院につれていってみようね。と相談していました。
11月29日(木)
いつも通りの朝、ミントに出勤前のご挨拶をすませ。いつも通り出かけました。
弱々しい印象はありましたがそんなに様子がおかしいということもありませんでした。
おやつをあげるとき「マテ」と指示しているのに、待たずにがっつくように食べていたのがちょっといつもと違うかもというくらいでした。
「なんだかんだで、週末までには治ってしまいそう」なんて本当に思ってました。
やっとかえってきたの?怖かったんだよ。だっこして!はやくだっこして!!
布団のなかでなく玄関で帰宅を待っていたようです。
すぐにでも抱っこしてあげたい衝動を抑えて抑えて「ミントの様子を撮らなきゃ、」って滑る様子をわざと繰り返させてしまいました。
わざとミントを不安に陥れるようなことをしたみたいで今でも後味の悪い動画です。
この動画を掲載したツイッターで「脳梗塞の時の症状かも」とか「神経に腫瘍が」いうコメントをいただいていていたので、いずれにしてもMRIで検査してはっきりさせたいなと思っていました。
ただ、抱っこした後は静かでおとなしく、落ち着いていました。
時折、軽くパクっパクっと空(くう)をかむようなしぐさが気になりましたが、しばらくすると歩き始め、足元がふらつくような様子は見受けられませんでした。
そういえば吠えないなぁとは思っていたものの、「しばらくすれば治っちゃうよなぁ」としか考えておらず危機感みたいなものは全然ありませんでした。
ただ、部屋の芳香剤の匂いが気になって、「もしやこれに酔っているのかも?」と芳香剤をゴミ箱に放りこみました。
ちょっと経って「もしこれが原因なら捨てちゃだめだ。」とゴミ箱から拾い上げビニール袋に密封してクローゼットに仕舞いました。
妻が帰宅し、そのことを言うと、「気に入ってんのに!そんなん、関係ないやん!!」って非難してくるような根拠のないヒステリックな行動なのですが、思いのほかすんなり納得してくれました。
週末を待つつもりだった病院に仕事前に連れて行ったことを聞きました。
先生は「歳もいっているし脳梗塞の可能性もある。比較的安定しているので2~3日様子を見ましょう。」「老犬の場合、脳梗塞の症状が出ても3日ほどで治ってしまう例がよくあります。」「MRIはうちにはないので対応できる病院を紹介します。血液検査もその時のほうがいいでしょう。」
といった内容でした。
「そっかそんな緊急性のあるものでもないんだね。週末にMRI検査をしに行こう。明日の日中に土曜日に行くって予約しておいて。」と妻に頼みました。
「ミント、気が小さいから、ほんと怖がりそうだよね。」なんて軽く話してましたが、
なにもないことがはっきりしたらそれはそれで意味はあるし。
もし、それで手術が必要ということになったとしても、もとには戻りそうだよな。と漠然と考えていました。
11月30日 パニック
いつも通りの朝、ミントに出勤前のご挨拶をすませ。いつも通り出かけました。
悪くなる様子もよくなる様子もなく、吠えないし若干弱々しいかな?というくらいで、おやつもふつう通り食べてくれました。
なんでかミントの輪郭が薄いような印象がありましたが、自分の気のせい。と呑み込みました。
お昼、「突然、なんかが見えるか聞こえるかで急に吠え出して逃げるように家中をはしりまわった。」と妻からメールがきました。「何かのパニックかも?」と
でも続報で、しばらくすると落ち着いた様子で、しぐさなどに異常はなく、いたって普通に寝てる。というメッセージが届いたので安心しました。ただ、ミントは長い時間じ~っと玄関を見張っていたそうです。
まってるの(うとうとしながら玄関の方向を見張っている)
僕は「ミントが具合悪かったらすぐに病院に連れて行けるように、病院の受付時間がある間に家に到着しよう。」と思って仕事もそこそこに帰宅する準備をして定時を待ちました。
一つ一つの事柄をたどりながら書いている間、喪失感を忘れ、まだミントが存在しているような錯覚が心地よく感じたりします。
こうして公開することで悲しい気持ちをお裾分けしてしまうことに抵抗がないわけではありません。が、こうして気持ちも整理できていくのかなと思います。
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